陛下とか殿下とか閣下とか

2010.01.22 Friday 09:47
kazuto funahashi


タイトルのとおり、敬称のお話。

■陛下

陛下は君主とその妃に対して使う敬称。「皇帝陛下」「天皇陛下」と使いますね。
英語だとYour/His/Her Imperial majesty(相手が皇帝の場合)、Your/His/Her Royal majesty(相手が国王の場合)

外交儀礼上では皇帝のほうが国王よりも上位となる。
「陛下」という言葉は身分の高い人に直接言葉をかけてはいけないという配慮から、階段の下にいる側近に声をかけたところから来る言葉。


■殿下

殿下は皇族や王族、その妃に対して使う言葉。厳密に言えば、君主でも大公の地位にいる人には陛下ではなく殿下を使う(モナコ大公やリヒテンシュタイン大公、ルクセンブルク大公など)。

歴史的には摂政、関白、太閤、将軍に対しても使った(秀吉に対して太閤殿下など)

英語だとYour/His/Her (Grand Ducal, Ducal Serene, Serene, Illustrious, etc.) Highness

なお、大公(Grand Duke)とはもともと公爵(Duke)だったハプスブルグ家が、長年神聖ローマ帝国皇帝の地位を続けているうちに、他の公爵とは違うということをよりわかる形で自称したものが定着してしまったもの。結局、ハプスブルグ家は統一ドイツの中に入ることができず、神聖ローマ帝国が消滅したのちに、オーストリア帝国皇帝を名乗ることになった。

■閣下

閣下は世襲君主以外の国家元首(大統領、首相)や閣僚、認証官、大使や領事などの外交使節、将官に使われる。これらは国家元首による承認でその地位についたところからの敬称。

英語ではExcellency。

日本で少将以上の将官には閣下が使われたが、これは天皇による直接任命であったため。しかし、諸外国ではどうなのかということを今回調べてみたけれど、明確にはわからなかった。


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さて、同じような言葉だけれどあまり使われない言葉として次のようなものがある。

■邸下(ていか)

邸下は朝鮮の王太子に対する敬称。もともとは殿下だったが、李氏朝鮮が明の属国となり、朝鮮国王の敬称が陛下から殿下に繰り下げられたため、王太子に対して使われた。

■猊下(げいか)
高位の聖職者に対する敬称。

■台下(たいか)
高位の聖職者に対する敬称。ローマ教皇に対する、日本政府の公式敬称はこちら。

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