2004/10/01
瞳の奥へ
あなたのたくさんの過去が見え隠れするたびに
どうしようもない黒い影があたしを
包んでしまう
その過去があって現在(いま)があるということ
それは充分すぎるくらいに
わかっているのに


長い長い丁寧なキスをして
「今は本当に君だけなんだよ」
そう囁くあなたの瞳には
これっぽっちの濁りもなく 強く抱きしめたわたしへの愛で溢れている

見えない未来に怯えているわたしは
あなたの唇の優しさに
必死でなにかを求めている

「これからだってずっと君だけなんだよ」
あなたの瞳の奥に
暖かな色をした光を感じて


わたしはもう一度
瞳を閉じる