おとめ座(Virgo--ヴィルゴ)

春から初夏にかけて南の空を覆う星座。一等星スピカの涼やかな光は「おとめ」の印象そのものだ。その他の星は比較的暗いが大きな星座で黄道第六星座として重要視された。ギリシャ神話では大神ゼウスと月の女神アルテミスの娘、アストラエアの姿とされる。正義の神アストラエアは隣の星座である天秤をつかって、善悪をはかったという。
昔、「金の時代」には人々は働かなくても野山に実る果物を食べて暮らしていけ、世の中は平穏だったが、「銀の時代」になると、四季が出来て、作物を自ら作らないと食べていけなくなり、醜い争いが起こり始めた。それゆえ、神々は天上へ去ってしまったが、アストラエアだけは残って、人々に正義を教えていた。しかし、さらに時代がくだって「青銅の時代」になると、ますます人間の争いははげしくなり、ついにアストラエアも天上に去って星座となったという。




おとめ座の星

α星 スピカ(Spika)
ラテン語で「穀物の穂」。
β星 ザヴィヤヴァ(Zavijava)
アラビア語で「犬小屋」。推測だが、昔この星はとなりのしし座の一部だったのでこの名前があるとされる。
γ星 ポリマ(Porrima)
ローマ神話の出産の神、ニンフから。
ε星 ヴィンデミアトリックス(Vindemiatrix)
ラテン語で「ぶどうをつむ女」。日の出前にこの星が見えるころ、ぶどう摘みが始まったためついた名前だという。
η星 ザニア(Zaniah)
アラビア語で「かど」。アラビア人はβ、γ、そしてこの星の3つを「犬小屋」と考えていたところからついた名前。
ι星 シュルマ(Syrma)
ギリシャ語で「ひきずる」。おとめの衣服の裾のあたりにあるところからついた名前だという。

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