かんむり座(Corona Borealis--コロナ・ボレアリス)
うしかい座の隣にある星座で半円形に並ぶ星が容易に冠の形を思わせる。南半球にも「みなみのかんむり座」があるため、ラテン語では「きたのかんむり」となっているが、日本語ではたんに「かんむり座」となっている。古代ギリシャでは「きたの花輪」と呼ばれ、その後「かんむり」となった。
ギリシャ神話はいささか長いけれど要約して紹介する。
クレタ島の王、ミノスはアテネの街に毎年7人ずつ美しい少年少女を差し出すように命じられていた。これはミノス王宮の奥に住んでいるミノタウロスという怪人(頭が牛で身体は人間)への捧げもののためだった。アテネ王の息子テセウスはミノタウロスを倒してこの苦しみを救おうと14人のうちの一人に入ってクレタへ向かった。そして、ミノスの娘、王女アリアドネはテセウスに一目惚れし、その手引きで見事ミノタウロスを倒し、テセウスはアリアドネを連れてクレタ島を出た。ところが、途中に立ち寄ったナクソス島でテセウスきアリアドネを置き去りにしてしまう。愛する人に捨てられたアリアドネをなぐさめたのはナクソスの支配者、ディオニソス(酒の神)だった。アリアドネは妻に迎えられ、その印としてもらったのがこの「冠」だと言われている。
かんむり座の星
α星 アルフェッカ(Alphecca)
アラビア名アル・ナイル・アル・ファッカ(欠けた明星)が訛ったものと言われている。昔、アラビアでは星座が半月の形をしているところからこう呼んだ。
β星 ヌサカン(Nusakan)
アラビア語で「2列」。アラビアではこの星からヘラクレスもこと、へび、へびつかいと続く2列の星の列を考えており、その呼び名が訛ったものと言われている。
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