ヘラクレス座(Hercules--ヘルクレス)

日本では夏の宵に頭上を飾る大きな星座。3等星以下の暗い星が多い。
ヘラクレスとはギリシャ神話に登場する英雄の名前で、ペルセウスの曾孫にあたる。ゼウスを父にペルセウスの孫アルクメーネを母として生まれたところからゼウスの正妻ヘラの恨みを買ってヘラクレスを殺害しようと計画した。赤ちゃんのときには毒蛇を差し向けたが、ヘラクレスは蛇を握りつぶして殺すほど、その膂力はすぐれていたという。やがて青年に成長したヘラクレスはギリシャで一番の英雄となった。
伝えられている神話で有名なのはエウリュステウスが命じた12の業である。
1.ネメアのライオン退治(しし座)
2.レルネのヒュドラ退治(うみへぴ座)
3.エリュマントのいのしし捕獲
4.金の角を持つアルカディアの鹿を捕獲
5.スチャムパリデスの怪鳥群退治
6.アウゲイアスの牛小屋掃除
7.クレタの牛捕獲
8.ディオメデスの馬捕獲
9.アマゾン国女王の帯を奪う
10.ゲリュオン国の牛を奪う
11.ヘスペリデスの金の林檎を奪う(りゅう座)
12.地獄の番犬ケルベロス捕獲

ヘラクレスは見事、この業を達成するが、ヘラの悪巧みによって発狂し、妻子や親友を殺してしまい、最後には呪いの猛毒の苦しみから逃れるために火の中に飛び込んで焼死したという。


ヘラクレス座の星

α星 ラス・アルゲティ(Ras Algethi)
アラビア語の「アル・ラス・アル・ジャティ」(ひざまずく者)が訛ったもの。 β星 コルネフォロス(Kornephoros)
ギリシャ語で「こん棒を持つモノ」。この星座全体を示す名前がこの星の名前となった。
κ星 マルファク(Marfak)
アラビア語の「アル・マルフィク」(ひじ)から来ている。
λ星 マシム(Masym)
アラビア語の「ミサム」(手首)が訛ったものと言われている。
ω星 クヤム(Cujam)
ラテン語の「Caia」(こん棒)が訛ったもの。むろん、ヘラクレスが持っているこん棒の位置にあるため。

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