からす座(Corvus--コルヴス)
乙女座の右下に位置し4つの3等星が不等辺四辺形を作っている星座。小さいが歴史は古くてプトレマイオス48星座の一つ。
ギリシャ神話では、太陽神アポロンのしもべ。アポロンは愛したテッサリアの王女コロニスにこのからすを贈った。二人の間をとりもつ伝書鳩の役やペットとしてだったが、このからすは美しい銀色の羽と人の言葉がわかる力を持っていた。
ある日、コロニスが若い男と親しげに話しをしていることをこのからすはアポロンに告げ口した。アポロンは怒って矢を放つと、コロニスの胸に命中し、致命傷となったのだが、そのときすでにコロニスのお腹にはアポロンの子供が宿っていた。そのことをアポロンに告げ、どうか子供だけは助けてほしいと頼んだのでアポロンは後悔し、子供を腹から取り出し、ケンタウロス族の医師、ケイロン(いて座)に養育をまかせた。その子供は名医アスクレピオス(へびつかい座)となった。
いらぬ告げ口をしたこのからすはアポロンの不興を買い、美しかった羽を黒にされて天に上げられたのだが、いつまでも隣のコップ(コップ座)の水にくちばしが届かないようにされたという。
からす座の星
α星 アルキバ(Alchiba)
アラビア語の「アル・キバ」(テント)から。もともとアラビア語でこの星座全体を指していた名前がこの星の固有名詞になった。
β星 クラス(Kraz)
今もって意味不明。
γ星 ギエナ(Gienah)
アラビア語で「羽」。
δ星 アルゴラブ(Algorab)
アラビア語で「からす」。
春の星座一覧
TOP