いるか座(Delphinus---デルフィーヌス)

わし座の北東にある小さな星座。いるかは地中海に多い動物なのでプトレマイオス48星座に入っているのも当然かもしれない。
ギリシャ神話ではポセイドンの使いとされている。ポセイドンは海の神ネレウスの娘アンフィトリテを見初めて強引に奪って妻としたが逃げられてしまった。いろいろ探していたら一頭のいるかが居場所を教えてくれ、ようやく妻と再会し、頼み込んで帰ってきてもらったという。
また神話ではない話として次の話が伝わっている。
BC6世紀にアリオンという音楽家で詩人が実在した。彼はシチリアで開かれた音楽コンクールに入賞したが、その帰りに乗っていた船の船乗りから賞金に目を付けられ、殺されそうになった。「最後にもういちど琴を弾かせてほしい」と頼み、聞き入れられた彼は心を込めて歌った。彼を殺そうとした船乗りはもとより、海の中の魚や動物たちも集まってきたという。歌い終わった彼は海へ身を投げたが一頭のいるかが彼を助けて近くの島へ彼を送り届けたという。この話は「歴史」を現したヘロドトスが記している。

いるか座の星

α星 スアロキン(Sualocin)
β星 ロタネヴ(Rotanev)
この二つの星名の由来は変わっている。19世紀初めにピアツィが発行した星図に初めて書かれているところから、次のように推測されている。ピアツィの助手であるニコロ・カッチャレートの名前のうち、ニコロをラテン式の綴り「ニコラス」にして逆から綴ったものが「スアロキン」、カッチャトーレをラテン語に訳した「ヴェトナール」(意味は「狩り」)を逆から綴って「ロタネヴ」。

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