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【本】阿部定事件―愛と性の果てに(伊佐 千尋)。

31479761.jpg 哀しくて哀しくて。

読みながら、彼女の少女時代〜事件を起こすまで、誰一人として彼女の本質や心の内側を理解してあげられなかったことが哀しくて仕方ありませんでした。

今まで自分を含めて、この事件のことを良く知りもせずに「ジェラシーの強過ぎた女の愛憎劇の形の果て」・・・だなんて間違った認識をしていました。

彼女がこういう事件を起こすに至った時代背景、そして持って生まれた彼女自身の性。

6年の刑を恩赦で3年で出てきた後の彼女の人生。愛する人をこの手で殺めた哀しみより、それを世間が決して自分が心に思うままには受け止めてくれない哀しみのほうが大きかったことと思います。

彼女がどこでどんな最期を迎えたのか、今となっては何の記録も無いということですが、わたしはきっとやっと自分ひとりで愛する人を純粋に思って眠られると、安堵の旅に出たと信じたいです。
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