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クスリ。

初めて経験する夏の暑さに、体調を崩しココロのバランスまでうまくとれなくってしまいます。四六時中ダルくって、近所まで買い物で出かけても、途中でバテる始末。

それでも、やっととれたあなたの代休に手をつないで近所まで出かけ、平日にぎりぎり間に合った遅めのランチタイムに嬉しい気持ちになります。帰りに美味しいと評判のお店でケーキを買って、いつもひとりで重い買い物をするのが可哀相だからと、ペットボトル入りのウーロン茶を箱買いしてそれを担いだあなたが「タクシーで帰ろうか」と言ってくれます。



ここ暫く忙しいあなたと、ほんとうはもう少しのんびりとふたりの時間を過ごしたかったわたしは、夜になるとまた少し拗ねてしまいました。



いろいろなことを考えると、つい先を急いでしまったり、確かなものを感じていたい気持ちが先に立ち、ときどきとても嫌な子になってしまいます。わたしのこういうところが、あなたが不安を感じることもよくよく判っているのに、愛情はいつも複雑に絡みます。



あなたは、わたしがどんなに愛してもそれを受け入れてくれて、それを邪魔に思うどころか、「もっともっと愛していいよ」そう言います。なのに、わたしは『愛を捧ぐ事で相手に与えてしまうかもしれない窮屈さ』をいつも恐れてしまいます。そんなことで動じたり、息苦しくなったりするようなあなたではないのに、それでもいつも不安に思ってしまいます。



夜が明けて、いつものように朝が始まっても、エアコンに慣れることの出来ないこのヤワなカラダは重く、朝食の準備が終わる頃にやっとどうにか元気を取り戻し、ピンクの如雨露に水を貯めてベランダの花に水をやるのですが、そこでまだこの肩や背中にあたる陽射しが痛くて、水やりを終えてまたしょげて部屋にもどります。



カギを持って、カーディガンを羽織り一緒に1階まで降り、ほんの数メートルを一緒に歩いて「いってらっしゃい」を言おうとしたとき、ふいにあなたにキスをされました。ついばむようなキスではなく、優しく労わるようなそのキスは、自分で体温調整をするためのお薬のように、ココロに染み渡っていきました。



歩道橋の脇を通り抜けるときにまた、いつものように振り返って手を振るあなたに、ようやくいつものように笑顔で手を振ることが出来ました。



いってらっしゃい、あなた。

今日も晩ご飯作って待っています。
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