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石。

わたしたちは、互いによく

「愛してる?」

「どのへんを?」

と聞きあう。



お互いの愛情に不安を感じているからではなくて、それを伝えられることの喜びを五感で感じたいからだ、きっと。



わたしにしても彼にしても、人生ではじめて直面する大きな傷を受けたあの時期から、もがいてもがいて這い上がって、そして恋愛を繰り返して、ここにたどり着いて。



今朝、目が覚めた時にギュッ。と彼に

まるでお猿の子供のように、腕も脚も絡せたら、寝ているはずの彼が



 このまま石になりたい・・・



そうぽっそり言った。



 石になっちゃうの?



目をつぶったままの彼にそう聞いたら



 このままふたりくっついたまま、

 ひとつの石になっちゃいたい



わたしがクスリ。と笑うと



 そしていつか恋人岩と呼ばれるんだよ



そう言って、彼は目を開けわたしを抱きしめた。
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