2004/04/11 Sun
00:00 | posted by
momoca funahashi
良く晴れた日曜日だというのに、わたしの心の中の天邪鬼は全くどうしようもない雨雲をこの心に呼び起こし、どうしようもない感情に滅多に過ごすことのない自分の部屋にこもってしまっていた。
わたしが越してきてから初めてこの部屋に入るときノックをしてきた貴方は、床に座り込んだわたしを後ろからぎゅぅ。と抱きしめて、その心のわだかまりになっている縺れた糸を解きほぐそうと、言葉をくれる。
一旦落ちてしまった心はすぐには浮上できなくて、それでも何とか伝えようとわたしは意味のない言葉たちを返す。なのに本当の気持ちはやっぱり言葉には出来なくて。
深いため息残して部屋から出て行った貴方は暫くすると今度はいつものようにノックなしで戻ってきて「これから湘南行こうか?^^」と微笑む。
そしてわたしはまた泣いてしまった。「どうして泣くの。俺はどうしたらいいの。どうして欲しいの」
「ありがとう。嬉しくて・・・」
先週何気なく「海見たいな。砂浜をきゅっきゅっ。って歩きたいな」そう呟いたわたしの言葉を覚えていてくれた。ありがとう。来週は仕事がまた激務になるから、今日は一日ゲームなんかしてのんびり過ごしたかったはずなのに、ごめんなさい。
-*-
泣いたカラスはとうに笑って。いつもはスカートと華奢なミュールで出かけるわたしなのに、履きなれたジーンズとTシャツ、お気に入りのTOUGHジーンズのヒップバックで準備をする。初めての江ノ電にちょっと心は浮き足立って。
江ノ島があんなに大きかったこと、想像以上に湘南の駅のホームが古びてて可愛らしかったこと。観光地だったこと。なんだか小樽に似てるね。それでもやっぱりここは湘南で。この季節にロングボードを抱えて電車に乗り込む人がいたり。
日が傾き始めた海岸で波打ち際まで手を繋いで歩く。わたしは、ここに来て良かったんだと思う。来る前に抱えていた不安やひとつの大きな別れや、大切だった人をとても深く深く傷つけてきてしまったこと。海を見ていると、そういうこともわたしが歩くために必要だったことで、残してきた人にも決してマイナスにはなっていないんだと思えてくる。自分再生の為の自己弁護・・・それでもいい。わたしはここにいる。
そう思ったとき、不意に引き寄せられて小鳥のようなキスをされて。「嬉しい?」そう顔を覗き込まれて。わたしはたぶんとっても幸せに微笑を返せたと思う。あたたかな気持ち。
ありがとうあなた。
-*-
あなたがしてくれる全てが、とても深い愛情からくるものだとわかっているんです。せっかちなわたしは、それを確実に感じたくてじたばたする。『言葉より大切なもの。肉体よりも曖昧なもの』それが見つけられられなくて。ただあなたからの愛情が、初めてあったときから夜を重ねるごとに深く注がれていることもわかっいるんです。
-*-
ありがとう。
海を見せてくれてありがとう。
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