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ドキュメント出産:2【ママ編】8/27(水)。

ドキュメント出産(2)【パパ編】は以下
http://onshore.x0.com/blog1/log/200808.html#eid2152

ひとつ上の階の陣痛待機室に車椅子で移動してからの記憶はさらに分断化。この部屋は両親学級で一度見学していて、ずらっと6〜8床程度のベッドがカーテンで仕切られていて、分娩室がすぐ隣にある。いったんダンナさんが待機室から出て、そのあいだにNST(ベビーの心音と陣痛の間隔を測定する機械)をつけられたり、病歴や手術歴に関する問診などなどを陣痛の合間に受ける。合間といってもすでに陣痛は3分間隔になっていて、3分間隔で約1分の陣痛の波が襲ってくるので、質問を受けて答えようとするとすぐに次の痛みが襲ってくる。

ダンナさんが戻ってからの医師やスタッフとのやり取りは、痛みで朦朧としていたのでダンナさんの日記を読んで改めて記憶しなおすという感じ。ただ、体につながれるチューブや機械が増えていくことで、そのときが着実に近づいてくることを感じていた。ダンナさんが入院手続きや飲み物を会に売店へ走っていたときは、ひたすら呻いたり「痛いよう…気が遠くなっちゃうよぅ」と言う程度だったのに、ダンナさんがそばにいると甘えが生まれるのか「わたし頑張れるのかな」「怖いよう…」そんな情けない弱音も吐いてしまった気がする。

ドクターとのやりとりで、「児頭骨盤不均衡」といってわたしの骨盤がベビーの頭の大きさに比べ狭いこと。陣痛が進行しているにもかかわらずベビーがいっこうに降りてくる気配がないこと。このオペのレベルが『準緊急』であること、しかしオペ室がいっぱいでもうしばらく待つしかないことなどを知る。

痛みって、時間制限のある我慢ならなんとか出来ても、いつまで我慢したらいいのかわからない痛みは、その倍も辛く感じるものだなぁ…恋愛と一緒だなぁ…なんてどうでもいいことを思う。

こんなに痛いのに平然と訪れる生理現象。数日間苦しんでいた便秘とともに尿意を感じる。
けれど車椅子でトイレへ移動なんてとても出来ない状態で、トレイ状のおまるを用意されるが、がんばってみたものの無理。次第に(この陣痛の痛みも、お通じさえあれば少しは軽減されるんじゃないか)と思い込み始め、なんとしてでもトイレへ行かねばという使命感が芽生えだす。「車椅子、頑張る」とダンナさんとナースに支えられ、ヨロヨロと車椅子でトイレへ。とりあえず、女子としてここだけはと、心配で個室に同行しようとするダンナさんを阻止。大きいほうはとてもじゃないけど無理だったものの、おしっこはよくがんばったというぐらいに排出して、少し楽になる。

安堵感から痛みの合間に徒歩で陣痛待機室に戻ることが出来た。ベッドに横たわったとたんに「あぁ゛ぁ〜次の来たぁぁぁ゛〜痛いぃ〜」となったのだけど。

痛みが来るたびに、尾てい骨の上を死ぬほど強く押されると、ほんの少し痛みが和らぐ。たぶんここを押すために、ゴルフボールやテニスボールを分娩のお供にするようになったんだと思うけど、テニスボールみたいにやわらかいものだとどうなんだろう。わたしにはとにかくダンナさんの渾身の力をこめた指圧が一番だった。「もうちょっと上!」「もっと強く!」「とにかく押して!」よく、陣痛時にあまりの痛みでダンナさんに酷い言葉を吐いてしまったなんて話をよく目にするので、わたしは気をつけようなんて思っていたけど、この指圧の加減に関しては、やはりちょっと命令口調になってしまった。

ダンナさんがドクターに「とにかく彼女の痛みを和らげてやってください!!!!」と強く訴えているのを見て泣ける。

ダンナさんの訴えのおかげでウテメリンを点滴投与。ただし、このお薬を使うことで多少のリスク(主に早産防止に使われる薬で、子宮の収縮を弱める効果がある。術中の出血量が増える、術後に子宮が元の大きさに戻るのを一定期間阻害するなどの副作用がある)があることなども説明されていた。

点滴のおかけで、陣痛の間隔は少し伸び、痛みもほんの少し和らぐ。

何度もこまめにスタッフが入れ替わりにやってくるうち、14時から手術開始と告げられる。ダンナさんに今の時刻を聞くと13時40分。確か家を出たのがまだ8時台だったから、もうそんなに長い時間痛みに耐えていたことに驚く。

明け方の痛みで目覚めたときからすでに、8時間半が経過していた…。



(続く…)
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ドキュメント出産:1【ママ編】8/27(水)。

8/27(水)に緊急帝王切開で出産し、9/4(木)に退院。
退院の前日に大阪から義父母が来てくれて、9/7(日)に一足先に義父が帰阪。その後、義母が9/11(木)まで滞在し、家事を全て世話してくれました。

9/11(木)の夜から、親子3人の生活がいよいよスタート。
ダンナさんが出産に向けてとっておいた夏休みと、この三連休をあわせてのんびり過ごしています。

携帯からのぞいてばかりだったmixiも、ようやくPCからコンニチハということで、忘れないうちにこの貴重な数日間の体験を記録しておこうと思います。

すでにダンナさんが、『ドキュメント出産』と題して(1)〜(4)をアップしているので、わたしもそれを読みつつという感じですが。

【2008.9.13 記】


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ドキュメント出産(1)【パパ編】は以下
http://onshore.x0.com/blog1/log/200808.html#eid2151

明け方、胃腸のあたりの痛みで目が覚める。尤も「胃腸のあたり」といっても、妊娠して内臓の位置が変わっているので、痛みの場所が胃なのか腸なのか、それとも子宮なのか実際にはわかっていなかった。ただ、妊娠中期からずっとつきあっている『便秘』が既に6日目ぐらいの状態だったので、そのせいかもしれないと思い我慢する。

じっとしていると痛みはスッと引いたけれど、またしばらくすると痛みが…便秘のときによくある波かも知れないと思いつつ、ちょっと不安になり一応時刻だけをノートに記録しておく。間で一度、便秘解消のためにトイレにこもるも何の成果も得られずリビングに戻ってくる…そして今度はトイレに行く前より強めの痛みが。やっぱりどうもこの痛みは子宮からきているのかもしれないと思い始める。

けれどまだ我慢出来る痛みだったし、これは本番前の前駆陣痛というやつかもしれないし、前駆陣痛なら本番がくるまで数日続くなんて話も聞くので、とりあえず耐えてみる。この時点で痛みの間隔は12分。本番の陣痛なら初産で10分間隔になったら病院へ連絡して入院と事前に言われているものの、この痛みが本番か前駆かの判断が出来ないままでいる。ただ徐々にじっと寝ていられる感じではないので、起きてソファに腰掛けて耐える。

ダンナさんのいつもの起床時間7時30分。朝ご飯のお茶漬けを用意し「前駆かもしれないんだけど…」と、痛みのことを話す。「とりあえず出勤遅らせようか?」というダンナさんに「まだ本番かわからないから行って」「そのかわり連絡したらすぐに戻ってきてね」と言う。出産になったらいろいろと突発的な休みをとってもらうことになるかもしれないし、今は取り敢えず無駄には休んで欲しくないと思ったから。

8時になって、ダンナさんがいよいよ出掛けるという段階になって、痛みのピークがけっこう辛くなってくる。わたしが痛みの時刻を記録していたノートをダンナさんがもう一度見て「この小さい丸印の時刻はなに?」と聞かれる。縦に並べて書いた時刻の左側に、すっごく痛いときに『◎』、痛いときに『・』をつけておいた。「わりと軽めの痛いとき」と言うと「これもう6分間隔だろ!」と言われる・・・そういわれてみると確かに。

「やっぱり会社行くのちょっと待ってもらっていい?」と言うと、ダンナさんはすでにそのつもりで上司にメールを入れてくれていた。そしてまだ本陣痛か前駆陣痛か判断つけられずにオロオロしてるわたしに、すぐに病院に電話するようにいつもより強めの口調で言われ従う。すぐに準備してくるようにと言われ、ダンナさんは事前に登録していたタクシー会社のサービス「陣痛110番」へ連絡。

ほどなくしてタクシー到着。

ほんとうは、入院の時は退院の時に着る服で行けば、荷物がすくなくてすむから…なんて予定でいたけれど、この時点では痛みでそんなことを考える余裕はなく、唯一頭に浮かんだのがお誕生日に藤原嬢が買ってくれたホームウエアをとにかく着ようと言うことだけだった。それにお出掛け用のカーディガンという、今思うとヘンチクリンな格好でタクシーに乗り込む。

痛みでどうにもならないのに、タクシーや院内では周りの人に妙に気を使ってしまうという己の性(サガ)にちょっと嫌気がさす。「声出してスミマセン」「五月蠅くてゴメンナサイ」「痛みで声を我慢出来ないので、外来の方に迷惑掛けないよう病棟に早く連れていって下さい…」言ったあとに(こんなこと気を使わなくていいのに…)と痛みと闘いながらの自己嫌悪。

タクシーを降りた時点ですでに歩ける状態ではなく、車椅子で移動。診療時間内だったので、まずは産婦人科外来へ。電話で連絡している旨を伝え、内診を受ける。それほど待ち時間はなかったと思うけれど、全ての時間が気が遠くなるほど長く感じる。内診ではやはりまだ子宮が降りてきていないのを実感するべく、かなり深い場所を触診される。痛い…ものすごい痛みだったけれど、心の中で(産むときはもっと痛いんだろうな…)という思いがよぎる。

そしてここからの記憶は途切れ途切れに…。




(続く…)
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