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結婚の儀。

わたしたちの結婚は、お互いが2度目ということもあって、結納もお式もなんにもありませんでした。でも結婚の写真だけは、わたしの願いもあって写真館できちんと撮ってもらうことが出来ました。



田舎の母が、バツのついているわたしをお嫁に貰ってくれるダンナさんに、少しでも負担をかけたくない一心から、入籍の前に少しではあるけれどまとまったお金を書留で送ってくれました。



プロポーズ前から予定していた「海外旅行で負担もかけるのだから」と言われ、「その自分の旅行代金ぐらいは、わたしにも貯金がまだあるから」といくら、断っても、聞き入れてはくれませんでした。







最初の結婚のときは、まだ相手が21歳でわたしも23歳になったばかり。

1年の同棲のあとの入籍だったので、相手の家族とわたしの家族、叔父叔母だけを呼んで、簡単な食事会を開いたのでした。食事会とはいえ、あの若い時代に白いドレスを身につけることが出来たのは、今振り返っても嬉しかったです。



相手は21歳でしたが、すでに×が1つついていたので、前妻との結婚で揃えた家具や食器を、そのままわたしが使っていました。自分の中でどうしようもないジレンマはあったけれど、車のローンや安いお給料で、それを買いなおすことはとうてい無理で。



入籍から間もない頃、チェストの引き出しに、フィルムケースにはいった対の高級ブランドのマリッジリングを見つけ、どうしようもなく苦しくなって泣きました。

わたしがしていたマリッジリングは、入籍の少し前にやっとデバートで一番安いものを12回ローンで買ったものだったから、なんだかとてもみじめな気持ちになったのでした。



「婚約指輪・・・給料3か月分出して大きなダイヤ買ったのに、別れるときはあのオンナ、ちゃっかりそれだけ持って出て行った」



その言葉に、自分はそうして貰えなかったことを思い「酷いことをわたしに教えるね」と、さらにわたしは泣きました。





あれから、いったいどのくらい経ったのだろう。



縁あって、今のダンナさんと暮らし始めて最初のお誕生日に、ティファニーの素敵な指輪を貰いました。銀だったけれど、わたしにしたら初めてもらう心のこもった指輪のような気がしました。



そしてさらに、3ヵ月後。入籍の前に、素敵なプラチナのリングを店頭より安くネットで注文することが出来ました。



ただ、ちょっと寂しいのは、今のダンナさんも、まだわたしにプロポーズする前ではあったけれどこんなことを言ったことでした。



「婚約指輪・・・給料3ヶ月分ではないけれどちゃんとダイヤのを買ってあげたんだよ。あれって、売っちゃったのかなぁ・・・」



仕方のないこと。わりきらなくてはいけないこと。こんなに大人なんだから、いろいろあるけれど。



「1年後の結婚記念日に、ほんとに安くていいので、ずっと安いのでいいから、婚約指輪を買ってね」



そう、自分の口から言って、ダンナさんが渋々でも「ん〜、まぁいいよ〜」と言ってくれたのは嬉しかったけれど、ほとんうは先にアナタから言ってもらいたかったなぁ・・・と我侭なことを思ってみたり。



きっと自分はダイヤモンドの輝く指輪が欲しいわけじゃなく、そんな言葉が欲しいんだなぁ・・・と気がついてみたり。





そんな気持ちの初夏。

わたしはまた、自分で買ったものではない使わない食器をひとつ、ゴミに出しました。
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