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感情。

このたった1週間の離れて暮らす時間、例えばそこにわたしを子供の頃からかわいがってくださっている叔母夫婦がいたとしても、あなたとの日々に思いを馳せてばかりいます。傍らの楽しそうな語らいに空で相槌を打ちながら、そんなふうに時が過ぎていきます。



ある夜は、わたしのつまらない感情から、あなたにしたらどうしようもないようなことを泣きながら訴えていました。泣き始めるとわたしは自分自身でもどうしようもないほど、感情の渦にもがき、そしてどんどんと深みにはまっていってしまいます。

それを充分知っているあなたは、とても厳しい目をしてわたしを叱りつけ、わたしを包み込もうとするマイナスの力からわたしを遠ざけようとします。それでもなお抵抗するわたしは、すでに辻褄の合わない思考でただひたすら「もういや・・・もういや・・・もういや」と繰り返しつづけ、胸の前で握り締めた両腕をさらに強張らせ、全身を頑なに閉ざしてしまいます。やがて、ふいに背後からあなたが両腕を伸ばしわたしをすっぽりと包み込み、とても優しい声で「さぁ、力を抜いて・・・だめだよまだ入ってる、ほらもっと力抜いて・・・」とわたしの髪に頬を寄せてくださいました。



それまでの高ぶりがまるで引く波のように静まり、わたしは全身の力を抜きあなたに体重を預けていました。身体の向きをかえ「キスしてもいい?」そう問いてくださるあなたに頷くこともできず、ただ子供のように下を向いていると顔をのぞきこみ両手でわたしの頬を包み「キスするからね」と言って、優しい優しいキスを何度も唇に与えてくださいます。そしてわたしの心が再びマイナスの力に支配されないように、静かにゆっくりとわたしを愛撫し抱きしめ、不条理な感情の渦からただ甘美な快楽の渦へと導いてくださる。



そうって、この数ヶ月わたしを育てるように包んでくださるあなた。それに「ありがとう」と言うときまって返ってくるのは「こんなことは愛していたら当たり前のことなんだよ」という言葉。



けれどいつまでも、これは当たり前のことだなんて思わずに、あなたに感謝して側に居られたらと思います。



こんな複雑でやっかいな絡まった感情を持ち合わせて生まれてしまったわたしを、丁寧に紐解いて諭してくださるあなたになら、全てを差し上げたってかまわないんです。
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