2004/04/29 Thu
00:00 | posted by
momoca funahashi
前日いつもより早めに眠りお目覚めもよろしく、午前中には洗濯をベランダに干し、ホットケーキと紅茶の朝食をすませて午後の相談。数日前から食べたいメニューがあったわたしたちは、いつもの渋谷のお店を目指します。途中いつもの本屋さんで、彼は本を何冊か購入。この家に来てから、膨大な彼の蔵書(天体・歴史・戦争・地図・サブカルチャー・・・その他ありとあらゆる種類)からわたしが以前から読みたかったものなんかを借りては、いつもバックに一冊持ち歩くようになったわたし。昨日までのフロイトを錬金術に入れ替える(ディープです)
出かける前に、夏日になりそうな今日はラメ入りの淡いパーブルに柔らかなハイビスカス柄のキャミワンピ用意。
部屋を出ると、ほんとうに素敵な快晴で、おまけに膝丈のスカートの裾からそよそよと入り込む風に心地よさを感じていました。
渋谷についてランチ。お腹いっぱいで軽く汗をかいたままお店を出ると、そよそよとスカートの裾から風。レザー張りの椅子に座ったままでいたせいで、お尻に汗をかき不快感を覚えていたので、また心地よさを感じてしまう。
途中、貴方がインナー用のTシャツとくつ下を購入。スペイン坂スタジオで『極楽とんぼ』の加藤サンをちらっと見かける。
そのまま東京タワーへ行くことになりました。数日前にいつか連れて行ってね。と話していたのを実現してくれることになったのでした。感謝。途中、悪戯なあなたに戸惑いながら嬉し恥ずかしい思いで移動。
東京タワーは想像以上に背が高く、青空の中に潔い赤をもってそびえ立ちます。展望室から外を眺めていると、その都度そこから見える建物や景色を説明してくれ、後ろからぎゅっと抱きしめられると、頼りない衣装で出かけてきてしまっているわたしの頭の中は白くなってしまいます。貴方はいつも少し意地悪な眼差しで、わたしが後ろから抱きしめられることで困った顔をしたり、人の目を気にしてあわてると、クスリと笑います。いつだって余裕を見せたまま、わたしが困ってしまうことをします。
こんなに遠くまで見渡せる場所に来ると、ほんとうに自分はちっぽけで、その自分が抱えている不安や戸惑いは全く取るに足りない事だと感じることが出来て、なんだかこれまでの自分がとても恥かしくなります。そして、これから歩いていく姿をイメージすると、これまでにないくらいに凛とした姿を想像できることがとても嬉しくなりました。あんなにあんなにめまぐるしく、くるくると動いてたって、今見渡せるこの世界だけで考えたって、それは本当に些細なことなんだと思います。だから、せめて思うままに自分の道は見失わずに歩かなくてはいけません。
展望台の床の一部がガラス張りになっているところで、わたしが軽くジャンプしてみせると「子供じゃないんだから」と窘められてしまいました。こういう場所に立つと、恐怖よりも先に自分の中の魂がすっと抜け出してしまいそうな錯覚を覚えます。
東京タワーをあとに、2月に連れて行ってもらったところが徒歩圏なので、休憩がてら行ってみることにしました。
・・・
そしてふと携帯の時刻を見ると、あんなに急いで行動したにもかかわらず随分時間が。
もう歩きなれた感じすらする帰り道はとっぷりと日も暮れて、今夜の夕食をどうするかという会話になります。デイトの帰り道はなんだかいつも今夜の夕食の話をし、わたしは帰ってから簡単なもの・・・といってもバジリコソースのパスタなら作ると言い、貴方はモモカも疲れてるだろうからドミノピザでも取ろうか、それとも何か食べていこうかと提案してくれます。今日は、その上にまい泉の本店に連れて行ってやろうかといってくれたので、とってもお腹のすいてしまっていたわたしは素直に従うことに。
電車を表参道で降り、まい泉の本店へ。最後に貴方がきたときと、随分あたりの建物が変わったらしく交番脇の地図を確認してから行きました。途中、最近外出したときや、たまに家でふざけているときにわたしが使う貴方の呼び名に、貴方は優しく笑っていました。まい泉はクリスマスのケーキ屋さんのように、静かな通りにほっこりと明るく存在し、中に入ったときに少しも嫌な感じのしない揚げ油の香りに、わたしのお腹は恥かしくも鳴ってしまっていました。待つことしばし、2階の禁煙席に通されて、それぞれのメニューと貴方オススメのリンゴジュースを注文しました。酸味と癖が全くないフジリンゴのジュースは、まるで子供の頃風邪を引くと母が摩り下ろしてくれたリンゴの汁のように甘く、疲れきった体にすぅっと染み渡るようでした。そして繊維がしっかりしているのに瑞々しく柔らかいヒレかつに、とても幸せな気持ちになりました。あまり一度に量を食べられないわたしですが、あまりの美味しさに今日は頑張って、ご飯を1/3残しただけであとは残さずに食べきることが出来ました。
駅に向う途中に、建物の2フロア全てがお箸の専門店を見つけました。もう21時を回っていたので閉店していましたが、ここずっとふたりの素敵な箸置きが欲しくて、物色していたわたしはいつもの「わぉ!」と言う小さな歓声をあげ、思わずショーウィンドゥに駆け寄るほどでした。
帰ってきてから、ところどころ貴方に解説をしてもらいながらエヴァンゲリオンの最終話を見て、ビールを2杯づづ飲み就寝。眠ってしまう寸前に朦朧としながら「30秒だけ時間をください」と言って、暗闇の中でそっと貴方の頬にキスをし「東京タワーを見せてくれてありがとうございました」と言いました。すると貴方は「10分だけ時間をください」とわたしの真似をして囁き、わたしを抱き寄せてくれました。
幸せな一日をありがとう。