2006.02.19 Sunday
23:43 | posted by
kazuto funahashi
純文学はまったく読まない(村上春樹以外)のだけど、奥さんが買ってたので映画のCMを見て興味もあり読んでみた。
登場人物は4人。博士、博士宅に家政婦の仕事でいく「私」、「私」の息子、そして博士の義姉。義姉はピンポイントで出てくるので、ほぼ三人で物語は進む。
交通事故で頭を打ち、記憶が80分しかもたないようになってしまった数学博士と私、私の息子(博士にルートと命名された)の交流が淡々とした筆致で描かれる。
折々に挿入される数式や数学の話も難しくはなく、純粋な理論であるはずの数学と、その対極にあると思われていた人と人との感情の行き来が見事なオーバーラップを見せる。
いやみもなく、あたたかな情景が広がる。
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