2012.06.07 Thursday
10:26 | posted by
kazuto funahashi
選挙開票ヲタなので投票していないにも関わらず、リアルタイムで開票を見ました。
しみじみ思ったんですよね、ここまで仕組みや感じ方が180度変わるものかと。
30年前、たとえばキャンディーズの3人にはそれぞれ固定のファンがついてはいたけれど、それで順位をつけようなんていう思想はありませんでした。バンドのメンバーだって同じ。アイドルグループだって、ロックバンドだって、その中の序列を付けることというのはその仕組み自体を崩壊させるトリガーになる恐れがあるからタブーとされてきました。
古い話で恐縮ですが、オフコースから初期メンバーである鈴木康博が脱退したのは、マネージメントの方針で、小田和正をバンドの顔をして売ろうというやり方に反発したから。公式にそんなことは発言されていませんが、この時期のオフコースを取材していた山際淳司が書いたドキュメンタリー「Give Up」にセキララに書かれています。
また、山際はこの本を出すことでいろいろもめたため、音楽業界のドキュメンタリーはあきらめ、スポーツ界にターゲットを変えたと言われています。
閑話旧題。
それから時間は進み「おにゃん子クラブ」時代。秋元氏のプロデュースであり、現在のAKB商法の原点ですが、ここでもメンバー内で序列をつけるというようなことはしていません。
まあ、おにゃん子は全員で歌を歌うということはあっても、基本的には個人商店の連合体ですが、AKBは毎日のステージがあるため、その結びつきはおにゃん子よりは遥かに強力であり、またファンによる順位付けというシビアな現実にも抗しうるのではないかと思います。
それにしてもおにゃん子のせいで、日本のアイドルシーンは10年ほどペンペン草も生えない状況となっていました。秋元商法はそれほど日本の青少年の欲望と金を長期間にわたって吸い上げてしまったのです。しかし、ようやく時間が動き、新しい人たちの時代となりました。そこに再び同様の手法で金を吸い上げていく秋元。
各地に姉妹グループをつくり、公式ライバルを作り……。
この仕組みが終わったとき、日本のレコード業界は実質的に死亡するのではないかと思ったりしています……。
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