歌人の枡野浩一の最新歌集「歌 ロングロングショートソングロング」。
本人とはもう20年近く前からの知り合い。
けっこう前に買ったのだけど、本文に掲載された短歌、
「このような価値観を持つのが私です」その告白が批評じゃないか?
という一首に影響されて感想が書けずにいた。
というようなことをTwitterでつぶやいたら、本人が
(なるほど)(だから『歌』の感想は少ないのか……)
という返事が(笑)
さて、句集やら詩集っていうのは部数が少ないため、書店で見つけることがなかなか難しい。私はできるだけ店員の意識に残したいため、書店で買いたいのだけど今回はAmazonで買った。
実物を見た感想は「大きい、がっしりしてる」。
これは前作の詩集「くじけな」がハンディタイプのかわいい装丁だったところからのギャップ。映画監督の杉田協士氏による写真とのコラボレーションが実に心地いい。
枡野氏は口語短歌の普及のために青春小説「ショートソング」を書いたり、テレビに出演したりといろんな活動をしているが、その活動の核である歌集は、純粋な歌集としては実に13年ぶりとなる。これは枡野浩一ほどの著名度でもそれだけ時間がかかってしまうという現実なのか、それとも本人が寡作なだけなのかは知る由もないが、ネット上で氾濫している本人作の歌ではない、(私にとっては)初見のものもかなりたくさん納められている。
あやまちを消しても消しても消えてない消せないものがあやまちだけど
数ある歌の中で染みいってきた言葉。
そんなことを書いていたら、きっとこう思われるのだろうな。
ほめているあなたのほうがほめられている私よりえらいのかしら
Comments