2009.11.17 Tuesday
17:47 | posted by
kazuto funahashi
来週公開の映画「2012」の宣伝がいっぱい。
先週「ゼロの焦点」を見にいったときも、5分間のトレイラーが流れてました。大迫力ですな。
ところで、なんで2012年なのか。この映画では「マヤの暦が西暦でいうと2012年で終わっている」ところからというなんともあいまいな根拠になっております。
そのほかにも
・フォトンベルトへ突入する
・ポールシフト
・太陽活動
・惑星直列
などと、きみは飛鳥昭雄か、南原宏かと言いたいほどのオカルト理論が勢ぞろい。ずらずらとすぐに名前が出てくるのは私がかつて「ムー」の読者だったから(笑)
さて。
マヤの暦のなかには「ロング・カレンダー」と呼ばれる長期の暦が存在する。そして、このカレンダーがちょうど2012年の12月21日あたり(冬至付近)で終わるところから、世界の終末と関連付けられているようなのだが、
カレンダーが終わるぐらいで地震が来るかっつーの!!!
1つめ論破。
次は「フォトンベルト」ですな。
フォトンとは光子のこと。で、銀河系にはドーナツ状にこの「フォトンベルト」が存在し、銀河系を公転している太陽系がこの高エネルギーであるベルトに突入すると、天変地異が続発して人類が滅びるとされる。
まず、フォトンベルトはまだいかなる公式な科学的機関によって公認されてはいない。それから、この俗説をググるとわかるのだけれど、太陽系は「アルシオーネ」を中心として銀河を回っているという不思議な説が散見されるのだが、太陽系は銀河系中心(超巨大ブラックホールがある)を回っているのであって、プレアデス星団の1つ「アルキオネ」(アルシオーネと同意)を中心になど回っていない。だいたい、プレアデス星団はとても若くて1億歳くらい。太陽系の年齢が46億歳とされているから、じゃあ、この星団ができる前はどうなっていたんだという疑問も出てくるほど基本となる要素がボロボロな時点で終了。
次、ポールシフトですな。
ポールシフトとは地軸がひっくり返ること。
確かに、昔の岩石を調べてみると、地磁気が逆転していた時期が何度もあることはわかっているのだけれど、それが「物理的に」ひっくりかえったかどうかの証明にはならない。早い話、N極とS極だけがひっくりかえっているかもしれないのだ。で、たぶん私はそれが正しいと思う。
だって、地球が丸ごとさかさまにひっくりかえるなんていうのは想像もできないし、だいたいどういう力でそんなことが起こるのかわからない。
また、地殻だけがずるりとズレる(みかんの皮だけがぐるりとズレるような感じ)という理屈もあるようなんだけれど、やはりそれもどのような理屈で動くのか不明。現在はプレート・テクトニクスという大陸移動の理論が確立されており、全地球的にそのようなことが起こるとは考えにくい。
次は太陽活動。
太陽は11年ごとに極小期と極大期を迎えるのですが、前回の活動期にエネルギーが放出されつくしていないので、今度の極大のときに(これが2012年)とてつもないエネルギーが放出されるという理論。
んー、素人考えなんだけれど、前回のエネルギーが放出されつくしていないというのはどういう基準なのか不明。仮にあったとしても、「かならずこのくらい放出されなければならない」ということでもないだろう。太陽が極大にいたってプラズマの流れ(太陽風)が強くなると、人工衛星に影響が出たり、地上の送電線に影響が出るといわれているが、まあ、そのくらいのことじゃないでしょうかね。地球の磁力圏はけっこう強力だと思うので。これまでも北海道でオーロラが見えたという記録もあるし、そんなに珍しい現象ではないことを申し添えておく。
最後。惑星直列。
これまで何度も土星と木星が直列するから、とか十字架のような形になるとかいわれて、そのたびに天変地異が起きるといわれているが、太陽系の質量構成は太陽が99.9%となっており、そのほかの惑星やらぜんぶ足しても。太陽の0.1%にもならんわけです。重力は質量に比例するので、その中の惑星が直列しようが並列になろうが、その重力なんて微々たるものなんです。なので終了。
というわけで2012年に地球は滅亡しません。
1999年で懲りただろうが……(´д`)
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