2011.02.22 Tuesday
21:33 | posted by
kazuto funahashi
リビアで空爆、無差別虐殺か
自国民に向けてヘリや戦闘機から機銃掃射、地上部隊は手榴弾も使う……なんて、もはや戦争じゃないか。
「中東の狂犬」と呼ばれ、数々のテロも実行したカダフィだが、年のせいか、はたまた信欧米派の次男(こないだテレビで演説した人)に助言されたせいか、大量破壊兵器の製造を放棄し、近年は国際社会に復帰していた。
しかし、追いつめられると人間は素の姿が出てしまうということだろう。
いずれにしてもこんなことまでして一時延命させたって、自分の足を撃つようなもので、民衆の支持はさらに離反するだろう。
ただ、リビアが他国と違うのは軍ではなく雇われた外国人民兵を使って弾圧しているため、エジプトやチュニジアのように「自国民に銃は向けられないから、お前が退陣しろ」ということにはならない点。
雇われ兵じゃないリビア軍が蜂起でもしないかぎり、こりゃ収拾がつかなくなるんじゃないか? 国連安保理で緊急会合しているようだが、NATO軍が介入したりとかなるのかしらん……。
2011.02.22 Tuesday
21:32 | posted by
kazuto funahashi
リビアの最高指導者は「カダフィ大佐」と呼ばれています。
最高指導者が大佐なんだったら、その上の、准将以上、いわゆる「将官」はいないのでしょうか?
答え。 いる。
というのも、リビアの無血クーデターでイドリース王朝を倒したとき、カダフィは大尉でした。カダフィは隣国エジプトの指導者、ナセル大統領をとても尊敬しており、ナセルが軍人だったころの階級、大佐にならったと言われています。
しかし、大佐という意味のColonel(カーネルと発音。3つめのlは実はrの発音になる)という言葉は軍隊以外でも「指導者」という意味で使われそうです。そのほかにアメリカの南部では名誉称号としても使われます(ケンタッキーフライドチキンの店頭に立ってる人形の名前、カーネル・サンダースのカーネルと同じ)
だから本来は「カダフィ指導者」とでも訳さないといけなかったのに、軍階級として「大佐」と訳してしまったため、今日のこの日まで誤訳が続いているとのことです。
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それにしても今年に入って、こんなに政変が続くとは思いませんでした。
エジプトのムバラク政権が倒れるとは……。
私は、サダト大統領が暗殺され、後継としてムバラクが現れたときのことをなぜかよく覚えています。子供心にもサダト大統領というのはすごい人だというイメージがあり(たぶん宿敵イスラエルと平和条約を結んだからだと思う)、その人を継ぐなんで大変だろうなあ、なんて思ったから。それが、サダト以上の手腕で30年も統治したわけですからね。しかし、それもインターネットの力で倒れました。
それ以外にリビアでもかなりデモが拡大しているみたいで、ベンガジなど9つの街が反政府デモの支配下に入ったそうです。デモに空爆しろとカダフィは命令したようですが(狂気の沙汰ですな、さすが中東の狂犬)、それをいやがった空軍機が地中海のマルタ共和国に亡命したり。
リビアはトリポリのある西部海岸地域の「トリボリタニア」、西部内陸部の「フェザーン」、ベンガジがある東部の「キレナイカ」の3つの地方が連合してできた王国で、もともとキレナイカにあったイスラム教団のトップが王様になっていました。だから、ベンガジなどがある東部はもともと前国王の地盤ともいうべき場所であり、親類縁者も多数住んでいるそうです。そういうこともあり、カダフィはキレナイカを冷遇していたため、住民の不満がたまっていたそうな。
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バーレーンでは宗派対立からデモで、ついにF1も中止になってしまいました。
アルジェリアやモロッコでもデモが拡大。イエメンもずっと続いています。
サウジアラビアやクウェート、ヨルダンにオマーン、さらにはイランまで、中東のほぼすべての国で反政府デモが勃発という、なんともすごい年になりそうです。
チュニジアの一人の若者が、賄賂をよこせという役人に抗議して焼身自殺。
このできごとについて役所に抗議する人たちの映像がFacebookやYoutubeに流され、広まり、こうなったのですが、理由がもう一つあります。
それは小麦価格の上昇。アメリカが低金利政策をずっと続けているため。だぶついたお金が投機的に小麦市場に流れていて価格が高くなっているのです (日本円がずっと高いのも同じ理由)。中東の国の主食は小麦なので、低所得層の暮らしにもろに直撃。さらにはこのあたりの国々はすべてアラビア語のため、意思疎通が簡単ということもあるでしょうね。