デビュー10周年を迎えたスガシカオのライブツアー"Fun-Key PARADE'07"東京公演が日本武道館で行われた。
会場前には17:40に到着したが、そのときにはまだリハの音が少ししていたので、開演が押すだろうと予測。かなり冷え込んできた。
会場前には集まり始めた客がたむろしており、特設テントではグッズ販売の真っ最中。
予定より5分押しで開場。2階席へと向かう。
私は仕事で200本以上のライブを見てきた。
仕事で見る席は、武道館の場合ステージ正面の一階席最前列から3列ほど。ここだとステージ全体がよく見えるし、前に一般客がいないので立たれて見えなくなることもない。(そう、マスコミな人はライブでは立たない。アンコールくらいは立っている人いるけど)
そんな私が南東側二階席の中段に陣取った。
武道館という空間は異質だ。
大きな球体の内側に張り付いているように感じる。
そしてその角度が急なので席の前に立っていると少し足がすくむ。
ステージから客席を見ると「まるで壁のようにそそりたって見える」と何人かのミュージシャンが口にしていた。
開演19:10
客電が一斉に落ち、歓声があがる中、スガシカオが現れた。ステージ中央からアリーナへ突き出したセンターステージに忽然と。4本の炎が炊かれた中、ギター一本で1曲目「愛について」。
1コーラスめが終わったあたりで、"雑音"に気付く。
奥さんが鼻をすすっている。風邪が小休止してくれたおかげで今日はこれたけれど、鼻つまっていたからなあ……と覗き込んだら号泣していた。
まだ一曲目ですよ(´д`)?
3曲演奏したあとMC。
本日、2月26日が、まさにデビュー日であり、10年めの節目にあたる日であることを感慨深く話す。
「まさか武道館でやれるようになるとは……」
前日までインフルエンザにかかっていて、実はこの公演も開催が危ぶまれていたとのこと。「座薬」のお世話になった体験を軽妙なトークで。この人のしゃべりはツボをおさえていて面白い。「発掘あるある大事典」がけっこう好きだったせいで、前日に癖でテレビをつけてしまったら映画『スウィング・ガールズ』をやっていて最後まで見てしまい、ラストは泣いちゃったと言っていた。
次はこの日のために作ってきたという「スガシカオ10周年記念メドレー」。
徐々に会場は盛り上がってきた。
「このノリは連れてこられた人が多いな(苦笑)」と本人のMCでもあったが、最初「どのようにしたらいいかわからない」雰囲気があったと思う。それはこのようなライブに来るのが初めての人がかなり多かったせいだ。
男女比は半々だが年齢層が幅広い。目撃した中ではピチピチの10代から50代まで。
ライブ慣れしていない40-50代の人は一曲目から立ったら体力が持たないだろう。
スガシカオのバックバンドは"Family Sugar"といい、Ds,B,Gt,Keyからなる。名前の由来は自身に大きな影響を与えた「スライ&ザファミリー・ストーン」からだ。
ここにCho×2。
演奏はプロっぽくタイトなグルーヴ。メンバーが40-50代というところだろう(Choの女性は20代かな)が、実に艶のある色っぽいリズムを刻んでいた。
大都市ではこの編成だが、小都市を回るツアーの場合はストリングスカルテット(バイオリン×2,ヴィオラ,チェロ)を連れて公演するという。その4人がここに加わった。
アコースティックギター+カルテットで演奏したのは、SMAPによる大ヒット曲『夜空ノムコウ』。この曲はSMAP版、作曲者である川村結花版、そしてスガ版があるが、どれも特徴的なアレンジで三者三様の感慨をもたらす。
ここでMC。ここから後半宣言があり、ノリのいい曲が続く。
今回のライブは先日発売されたシングルベストからの選曲が多くなっているので、必然的にシングルが多く、私のような最近ちょっとかじった人間でも「聞いたことはある」という曲が多い。
「いじめてみたい」で会場をさんざんにいじったあと、ラストは「午後のパレード」。
銀リボンが炸裂し会場がお祭り状態、ダンサーが20人近くステージに登場して一夜の宴を盛り上げた。
アンコールは3曲。
ラストは「奇跡」。
「明日もやってま〜す」。
中華料理屋のおやじのようなセリフを残して、今夜のパーティーは幕を閉じた。