大江千里の曲で最も売れたのはなにか。

2010.10.06 Wednesday 14:52
kazuto funahashi


音楽の世界にはかつて「アルバムアーティスト」なる珍妙な言葉がありました。
これ、シングルは売れないけれど、アルバムは必ずある程度売れるアーティストを指す言葉です。

キャッチーなメロディと言葉でシングルヒットを飛ばす「芸能界」系のアイドルたちとの対比で、音楽的に作りこまれ、詞の世界をきっちり構築した「芸術的」なアーティストたちの作り出すアルバム。シングルはあまり売れないけれど、トータルプロデュースされたアルバム世界では作り物のアイドルたちとは一枚も二枚も上である、という意味のこもった言葉です。(逆にシングルは売れない、という意味にもなる)


大江千里は典型的なアルバムアーティストですが、好みのわかれる声質のため、同時代のアーティストたちと比べると売り上げはやや小振りです。オリコンチャートで1位を取ったのはアルバム「APOLLO」だけです。シングルは「格好悪い振られ方」の2位が最高位です。

さて、では、大江千里の曲で最も売れたのはなんだったのでしょう。



シングルヒットした曲となると、やはりドラマ主題歌にもなった「格好悪い振られ方」です。これが50万枚。大ヒットです。しかし、リリースタイミングが悪くわずか890枚差でチャート2位に甘んじることとなりました。千里の1位を阻んだのは槇原敬之の「どんなときも。」。後に千里と同等の路線を歩んでいく槇原の出世作だったのです。

そのほかにも「ありがとう」(ドラマ「十年愛」主題歌)や、「dear」(スズキ・カルタスCM曲)、デビュー初期だと「十人十色」(カンロCM曲)などがありますが、いずれもスマッシュヒットの範囲内でした。

次に彼が他の歌手やアーティストに提供した楽曲を見てみましょう。
初期の渡辺美里からはじまって、実にたくさんの人たちに楽曲提供を行っています。
その中で最も知名度が高いといえば、松田聖子でしょう。

松田聖子の23枚目のシングル「Pearl-White Eve」は大江千里の作曲です(作詞は松本隆)。



オリコンシングルチャートは1位獲得ですが、やはりアイドルのシングルということで累計の売り上げ枚数は20万枚ほど。しかし、松田聖子のクリスマスソングとして定番化されています。歌詞の中の、

ピンクのパジャマ リボンほどいて それがわたしの贈り物なの
壁のスキーの雪が溶けて すべり落ちてく

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