はやぶさ。
2010.06.15 Tuesday 20:14
kazuto funahashi
小惑星探査機はやぶさが7年の航海を終えて、地球に帰着、本体は大気圏で燃え尽きました。
http://www.ustream.tv/recorded/7634995
和歌山大学観測チームの動画。3分のあたり。
http://www.youtube.com/user/nasaames#p/u/0/gfYA4f-AIL0
NASAの観測機から撮影。一番最後まで残っているのが耐熱カプセル。
読売新聞から。
image[01.jpg]
もともと、この「はやぶさ」はイオンエンジンの実証機として作られたものです。
イオンエンジンは電荷をかけたガスを噴出するもので、瞬発性はないけれど、長期間噴出することによって軌道を変えることができます。なにより、電荷をかける電力を太陽電池から作り出せるので、化学エンジンのように燃料を持っていく必要がありません。
そのため次世代エンジンとして研究が進められています。
このはやぶさをどの星へ送り込もうといろいろ考えられていましたが、発射がずれるとターゲットにしていた星にたどり着かなくなるため2度も変更され、最終的に1988SF36という仮符号のついた小さな小惑星が選ばれました。
この小惑星が後に「イトカワ」と名づけられます。言うまでもなく、日本のロケット開発の父である糸川博士の名前からつけられました。
今回、初めて月以外の天体の砂を持ち帰ったかもしれないということで注目が集まっています。
なぜでしょう?
地球や月など、大きな惑星は宇宙の塵や岩石が重力で集まった結果、溶融と層化を起こしています。つまり最初の岩の性質から変わっています。
しかし、このイトカワはたった500メートルしかなく、写真で見た感じ、二つの岩が緩やかにくっついている、といった感じで、太陽系が作られた時代の砂がそのまま残っています。この砂を解析することにより、太陽系の初期の研究が進むと考えられています。
しかし、もともとこのサンプルリターンは「おまけ」でした。「できたらいいな」程度のミッションだったのです。
2003年に打ち上げられたはやぶさはもっと早く帰ってくるはずでしたが、姿勢制御エンジンの故障や燃料漏れ(燃料であるガスが漏れるということは、衛星の姿勢がおかしくなるということ)に合い、一時は7週間も行方不明となってしまいました。
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