イギリス総選挙。
2010.05.07 Friday 21:06
kazuto funahashi
イギリスの総選挙は昨日投開票が行われ、野党第一党の保守党が勝利したが、単独過半数には届かなかった。これは36年ぶりのことだそうな。
あちらでは「ハング・パーラメント」(宙ぶらりんの議会)というそう。イギリス議会は二大政党制が続いており、どちらも過半数にいかない、というのはとても珍しいこと。
さて、じゃあ、その36年前はどうしたのかというと。
36年前……1974年2月の総選挙で労働党が第一党にはなったけれど、過半数にはいかず、第2党の保守党と第3党の自由党の連立交渉が決裂し、少数与党のまま内閣を組閣したけれど、結局この年の10月にもう一度選挙をやって、労働党が過半数を押さえた。
イギリスというと二大政党制発祥の国だけど、確か学校の授業では「トーリー党」と「ホイッグ党」という名前だったと記憶している。この党はいったいどうなったのか調べてみると、
まず、「保守党」は正式名称を「Conservative and Unionist Party」(保守統一党)といい、「トーリー党」はこの党の前身に当たる。今でも俗称として「トーリー」と呼ばれている。Toryとは「ならず者」とか「盗賊」という意味。なんでそんな名前なのかは、後述。
次に労働党。こちらは名前の通り、労働組合を基盤とした政党で1900年に結党。政権を取ったのは第二次大戦後。マルクス主義は薄いけれど、「ゆりかごから墓場まで」を謳った手厚い社会福祉政策にお金を使いすぎて、イギリスは深刻な不況に陥ってしまった(英国病という)。しかも、その改善のための施策を労組がストで妨害したために、イギリス国民が大憤激して選挙に大敗北、出てきたのが保守党の「鉄の女」サッチャーであった。サッチャーは鉄の意志で、民営化などの施策を断行、人気急落のときにはフォークランド戦争が勃発したため機動艦隊を派遣して、アルゼンチン軍を撃破して人気を回復させた。
話がそれた。
さて、二大政党のかげに隠れているもう1つの党が自由民主党。この党の前身が「ホイッグ党」である。Whigとは「馬泥棒」とか「謀反人」とかいう意味とのこと。
かつては、保守党と自由民主党が二大政党だったけれど、労働運動の伸長とともに、労働党が自民党を蹴落として、二大政党の片方の座に座るようになった。
イデオロギー的には中道左派なので、
左 労働党 自由民主党 保守党 右
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